いくつかの国に分かれて戦争するネトゲってよくあるじゃないですか。

そういうゲームって、いつも
勝つと報酬が多くもらえる→その国が強くなる→また勝って報酬が多くもらえる・・・・
とか、
勝ってる国に勝ちたい人が移住してくる→人が増えてより勝ちやすくなる→・・・
みたいなループに陥って、どこかの国が1強になっていることが多い。

1強になると何が起こるかというと、その1強に人口が集中する。
そして、過疎側はすぐに戦争に行けるが、たいてい負ける。
1強側は、戦争に行けばほぼ勝てるが、戦争したい人よりも対戦相手がずっと少ないため、
対戦相手が見つかって戦争が始まるまで、長い順番待ちをしないといけない。

このように、どちらの側でプレイしていても、面白くないのである。
ゲームにとって「面白くない」という問題は致命的であり、解決しなければならない。

この問題を解決するためには、劣勢側に何らかのボーナスを付与してやれば良い。
ボーナスにより劣勢側の勝率が上がり、バランスが均衡する方向に向かうのだ。
しかし、劣勢側の方が待遇が良ければ、
「ボーナスが欲しいからわざと負ける」ようなプレイを誘発することになる。
こうなると、「勝ちたい人」と「報酬が欲しい人」が互いに足を引っ張り合うこととなり、
「味方が邪魔」という状況が多々発生する。

この「味方が邪魔」という状況は、ゲームとしては非常に不快な状況である。

敵が邪魔なのは、敵なのだから当然の状況であり、納得できる。
また、敵なのだから、直接的に攻撃して不快感をぶつけることもできる。
しかし、邪魔な味方は、自らの活躍を台無しにする上に、
形式上は味方なので、手を下すこともできない。
いや、できなくもないが、それをすると自分も「邪魔な味方」に成り下がってしまう。
かの有名なナポレオンも次のような言葉を残している。
「真に恐ろしいのは有能な敵ではなく無能な味方である」

勝つことにメリットがあれば、国家間バランスが偏ってしまうし、
メリットが無ければ、そもそも「勝ったほうがいい」というゲームの根本が否定される。
このようにゲームシステムの根本が問題を含んでいるため、
この問題を根本的に解決しようとすると、ゲームの根本を否定することになってしまうのだ。
そのため、ずーっと対処療法をし続けるしかでないのである。
しかし、こういったゲームではどこかが1強になってしまうのは当然であり、
対処療法により一時的に1強が崩れたとしても、またどこかが1強になるわけだ。

複数の国で戦争するようなゲームシステムは、このような欠陥を抱えているのに、
最近でも、このシステムのゲームは新しく登場し続けている。

最近のだと、ガンダムオンラインがこれに該当するだろう。
このゲームでは、2つの陣営で戦争をするのだが、
勝った方が報酬を多くもらえ、機体を強化できる→より勝ちやすくなる→・・・
このループにより、勝ちたい人が一方の陣営に集中し、
私が一時期やっていた頃は、人口比率は1:10ぐらいになっており、
劣勢陣営は10戦やって1回勝てるかどうかという惨状であった。

「ネットゲームなんて一時的なものだし、対処療法でだましだましやればいいか」
ということなのだろうか。

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