MyPCがクッソうるさいのでの静音化について色々論文風にまとめてみる。
(クッソ長くなった言いわけ)
あんまり見直してないから誤字脱字とか変な文章とかいっぱいある気がする。
こんな方法もあるぜっていうコメントも歓迎。


概要
 この記事では、デスクトップのタワー型PCの静音化にどのようなアプローチが存在するかを紹介する。また、それらのメリット、デメリットについて紹介する。


目次
1.静音化の背景
2.雑音の経路
3.静音化の手法
 3.1 雑音自体を小さくする
  3.1.1 雑音の少ないPCパーツを使用する
  3.1.2 ファンの回転数を下げる
  3.1.3 PCを掃除する
  3.1.4 PCを涼しい場所に設置する
 3.2 パーツから雑音が伝わりにくいようにする
 3.3 音が人間周辺へと伝わることを阻害する
  3.3.1 音がもれにくいケースを使用する
  3.3.2 PCを静かな場所に置く
 3.4 人間の耳へと雑音が伝わることを阻害する
 3.5 雑音を気にしない
4.まとめ
5.おわりに
6.付録


1.静音化の背景
 ほとんどのPCは多かれ少なかれ雑音を放っている。そして、その雑音が「気が散る。」「聞きたい音に雑音が混ざる。」「録音に雑音が入ってしまう。」といった不快感を、PCユーザーや周囲の他の人の与えることが問題となっている。そのため、多くのPCユーザーは静かなPCを求めるようになってきており、静かであることを売りにしたPCやパーツが数多く開発・販売されている。


2.雑音の経路
 PCの放つ雑音は次に示す経路で人間の脳へと到達する。よって、これらの経路のいずれかで雑音を減らすことができれば、人間の脳に到達する雑音は抑えられ、不快感を軽減することができると考えられる。

「PCの放つ雑音が人間の脳へと伝わる経路」
A.音源が雑音を発する。
B.雑音がPC周囲の空気や物体へと伝わる。
C.空気や物体を通じてPC周囲から人間の周囲へと音が伝わる。
D.人間の周囲から人間の耳へと音が伝わる。
E.人間の耳から人間の脳へと信号が伝わり、雑音として認識される。


3.静音化の手法
 以上の雑音の経路から考えられる様々な静音化の手法について紹介する。

3.1 雑音自体を小さくする。

3.1.1 雑音の少ないPCパーツを使用する。
 音源の雑音を少なくし、「A.音源が雑音を発する。」ことを阻害することで雑音を軽減する。具体的には、うるさい小型ファンを、静かな大型ファンに交換したり、ファンレスのパーツを使用したり、水冷ユニットを使用したり、回転音のうるさいHDDをSSDに交換するといったことがこれに該当する。
 発生する雑音自体が抑えられるため、高い静音効果が得られるが、1つでも雑音の大きいパーツが残っていると、他のパーツがどれだけ静音性に優れていても意味が無い。そのため、全てのパーツを静音化する必要があるが、逆に、雑音の大きなパーツが1つだけであるならば、それを静音の物に交換するだけで大きな効果が得られる。そういった場合はこの方法が有効である。
 この方法の欠点は、他の性能が犠牲になってしまうことである。例えば、ファンレスのパーツはファンが付いた物に比べて排熱性や性能、値段などの面で劣っていることが多い。そのため、静音のパーツでPCを組もうとすると、性能の割に高価になってしまったり、排熱性が犠牲となった結果、酷使していると高温になり、すぐに壊れてしまったりといった問題が生じる。

3.1.2 ファンの回転数を下げる
 PCによっては、プログラムからファンの回転数を制御してやることができる。これにより、不必要に高速で回転しているファンの回転数を下げ、雑音を低減することができる。しかし、回転数を下げすぎると排熱性が失われ、パーツが高温になり、故障の原因となるため、どの程度回転数を下げて大丈夫かという知識が必要である。最近のPCは自動的に温度を監視しファンの回転数を下げるものが多く、元からこの方法が実行されている場合がある。3.1.1と同様に最も雑音が大きいものの雑音を下げることが効果的である。
 ケース付属のファン等は、プログラムから制御することができない場合が多く、そういった場合は追加でファンコントローラーを購入するか自作し、PCに組み込んでやる必要がある。また、ファン以外のパーツの雑音を減らす効果は無いため、他のパーツが雑音の原因となっていた場合は静音効果は得られない。

3.1.3 PCを掃除する。
 最近のほとんどのPC冷却用ファンは、温度が低ければ自動的に回転数を抑えて静かになるようになっている。しかし、ホコリが溜まると、排熱性が損なわれれ、ファンの回転数が高くなり、雑音が大きくなる。そのため、ホコリのたまったPC内部を掃除して排熱性を確保すれば、PCが静かになる場合がある。ホコリは故障の原因にもなるため、静音性に問題が無くても定期的に中を掃除する必要がある。

3.1.4 PCを涼しい場所に設置する。
 PCを掃除するのと同様に、涼しい場所に設置してやれば、排熱性が確保され、ファンの回転数が低くなり、静音性が確保される場合がある。また、同様にファン以外のパーツの雑音には無力である。余談だが、冷やしすぎると結露し、故障の原因となるため、極端に低い温度に冷やす場合は注意が必要である。

3.2 パーツから雑音が伝わりにくいようにする。
 HDDやCD/DVDドライブ、大型のファンはうなるような低音を発する。そういった低音の雑音は、PCケースから床を伝って広がる。これらの低音を発する機器に対しては、「B.雑音がPC周囲の空気や物体へと伝わる。」を阻害することも効果的である。例えば、HDDを振動を伝えにくいゴム等の素材を用いて固定してやることで、PCケースに直接振動が伝わることを防ぐといった手法が存在する。「PCケース内にHDDをゴムで吊るす」「HDDに画鋲で足を作り、そのままケース底部に置く」「ケースの足に耐震用ゴムを付ける」といった方法を見聞きしたことがあるが、筆者は実際に試してみたことは無いので効果のほどは不明である。

3.3 音が人間周辺へと伝わることを阻害する。

3.3.1 音がもれにくいケースを使用する。
 密閉性の高いケースを使用することで、空気を伝って音が漏れることを防ぎ、「C.空気や物体を通じてPC周囲から人間の周囲へと音が伝わる。」を阻害し、静音性を高めることができる。しかし、この方法では排熱性が大きく損なわれるため、負荷をかけると高温になり、パーツが破損してしまう原因となる。そのため、この方法は性能が低く、ほとんど負荷をかけないようなPCに対してのみ有効である。

3.3.2 PCを静かな場所に置く。
 極端な話、PC本体(雑音源)が地球の裏側にあるのならば、それがどれだけ雑音を発していてもユーザーには届かない。このように、PCを人間から離すことでも人間へと伝わる雑音を減らすことができる。例えば、机の上に、モニタと並べてPC本体を置いているのならば、PC本体を机の下や机の裏に置くだけで、聞こえる雑音を減らすことができる。この方法のメリットは、PCの内部をいじったりといった難しい作業無しに、簡単に効果が得られることである。
 筆者は、長めのUSBハブとHDMIケーブル使用して、部屋の外(廊下)にPC本体を設置し、扉の下にケーブルを通し、部屋の中にモニタとUSBハブ(それにキーボードとマウスを接続)だけが存在するようにしている。それにより、PCを起動していても時計の秒針が動く音がハッキリ聞こえるほどの劇的な静音効果が簡単・安価に得られた。代わりに廊下が多少うるさくなったが、廊下を通る時にPCの音が聞こえて不快になるといったことは無い。
 この方法のデメリットとしては、PCを置いた場所の静音性が損なわれるため、近くに静音性が損なわれても良いような空間が存在しないと利用できない点がある。また、設置する場所によってはPCの排熱性が損なわれるので注意すべきである。例えば狭い空間(押入れなど)にPCを設置するという方法も耳にするが、そのような場所に設置すると多少なりとも排熱性が悪くなると考えられる。
 また、モニタからPC本体が遠くなるため、本体に取り付けられた電源スイッチ、DVDドライブといった機能を利用するためにはモニタの前から本体まで移動しなければならないことになる。そういった機能をあまり利用しないならば問題は無いが、頻繁に利用するならば、いちいち移動するという面倒な作業が生じて、大きなデメリットとなる。

3.4 人間の耳へと雑音が伝わることを阻害する。
 密閉性の高いヘッドフォンや、ノイズキャンセリング機能の付いたヘッドフォンを使用することで「D.人間の周囲から人間の耳へと音が伝わる。」ことを阻害することができる。この方法では、高価な遮音性の高いヘッドフォンを購入する必要があるが、PCの雑音以外にも、車の通行や周囲の生活雑音などもシャットアウトできる。デメリットとしては、聞きたい音(来客のチャイムの音など)まで聞こえづらくなくなってしまうことや、不快感の原因1つである「録音に雑音が入ってしまう。」ことに対しては何の解決にもなっていないことである。

3.5 雑音を気にしない
 雑音なんて気にならないほど集中したり、雑音に慣れてしまうことで、「E.人間の耳から人間の脳へと信号が伝わり、雑音として認識される。」を阻害し、問題を解決する。この方法のメリットは、実行が非常に簡単であり、費用も全くかからないことである。デメリットとしては、何の解決にもなっておらず、依然として不快感の原因が存在することである。
 また、ゲームや音楽の音量を大きくすることでも、相対的にPC本体の雑音を小さくすることができるが、音を大きくしすぎると耳を悪くしたり、周囲の他の人に不快感を与えたりしてしまうといったデメリットが存在する。また、録音にノイズが入ってしまうことに対しても無力である。


4.まとめ
 各方法についての評価をまとめる。尚、評価は筆者の主観であるため、万人にとってそうであるとは限らないことに注意されたし。

・雑音の少ないPCパーツを使用する。
価格:高価
効果:高
汎用性:パーツを買えばどんなPCでもOK
知識:パーツ・雑音についての知識が必要。
コメント:根本的解決になる。

・ファンの回転数を下げる
価格:無料~中
効果:中
汎用性:最近のPCは既に自動で実行されている場合が多い。
知識:回転数をどれだけ下げて大丈夫かという知識が必要。
コメント:

・PCを掃除する。
価格:無料~安価(掃除用ツールなど)
効果:低
汎用性:高
知識:PCの掃除についての知識が一応必要。
コメント:静音効果は微妙だが、PCの寿命に関わるので、定期的に掃除しよう。

・PCを涼しい場所に設置する。
価格:無料~高価(クーラーのきいた部屋に設置すると電気代が・・・)
効果:低
汎用性:高
知識:不要
コメント:静音効果はあまり期待できない。

・パーツから雑音が伝わりにくいようにする。
価格:無料~安価
効果:低~中
汎用性:PCケースによってはスペースが無くて不可能だったり。
知識:効果的に静かにする設置方法のアイディア・知識が必要
コメント:独自の方法を工夫する楽しみがあるといえばある。

・音がもれにくいケースを使用する。
価格:中~高価
効果:中~高
汎用性:性能・排熱性が要求されないようなPCにしか利用できない。
知識:排熱が大丈夫かどうかの知識が必要。
コメント:排熱があまり要求されないPCなんて滅多に無い。

・PCを静かな場所に置く。
価格:安価(長いケーブル等が不要ならば無料)
効果:低~高(設置場所による)
汎用性:適切な設置場所が近くに存在しないと利用できない。
知識:PC内部についての知識は不要。
コメント:簡単で費用対効果に優れている。おすすめ。

・人間の耳へと雑音が伝わることを阻害する。(ヘッドフォン)
価格:中~高価
高価:高
汎用性:どんなPCでも可能。
知識:どのヘッドフォンが遮音性に優れているかといった知識は必要。
コメント:録音環境は改善されない。

・雑音を気にしない
価格:無料
効果:なし
汎用性:高
知識:不要
コメント:最後の手段。


5.おわりに
 PCの静音化といえば、ファンの回転数を下げたり、静音パーツを買うというイメージだが、それ以外にも様々な方法が存在する。それぞれの方法には違ったメリット・デメリットが存在するため、自分にとって一体どの方法が適しているのか色々考えて実行してみることが良いだろう。あと、これから暑い季節なので、ちゃんとPCが排熱できているか気をつけよう。

6.付録
筆者の行った静音化
・通気性が高く、ファンが大型のケースを選択
・プログラムによる各パーツのファンの回転数の制御
・ファンコントローラー(自作)によりケースのファンとグラボのファンの回転数を制御
・SSDを使用
・本体を廊下に設置し、画面と操作機器のみを部屋に設置
この中では、廊下に設置するのが最も効果的だった。

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